ごく普通のマンション、ごく普通の1LDK。
至る所に空未開封問わずのカップ麺が転がり、クローゼットに入れる気のない大量の衣類が散乱している。
ぞんざいに放り出された鞄からのぞく参考書やノートは真っ白で、半年使ったとは思えない新品さを醸し出している。
そしてそのおよそ人間が住むことができるとは思えないブラックホールの中心で、スマホとパソコンと携帯ゲームとを同時に器用に操る、スウェット姿の少女。
ツ○ッターもラ○ンも何のその。高校までは電車とバスに計三十分揺られ続ける。
――それが、今時の魔女の生態なのであった。